web版:ラッパー宣言(仮)

ビートでバウンス 唇がダンス

朝7時。眠い目こすって覚えてる昨日の雨。

◇一晩中雨が降ったせいか、今朝は寒いなあ。

ジュリアン・アサンジ、捕まったのか!!

◇昨夜のドラマ『フリーター、家を買う』。面白い。二宮和也竹中直人のやり取りが楽しみで毎週見てる。あれはあきる野が舞台なんだっけ? 最寄りから徒歩20分以上の住宅街のあの感じ、僕の小学校の学区がまさにそうだった。竹中直人は、威厳を求めるあまり、高圧的な態度をとってしまう核家族の父親のコミカルな哀愁を醸していて、ついつい噴き出しちゃう。てか、友人のお父さんの話を思い出す。
 勉強嫌いな友人が、テスト前なので仕方なく世界史の教科書を開いていると、珍しくお父さんが勉強を見てやると言う。多分、珍しく勉強をしている息子の姿に気をよくしたのだろう。教科書を取り、張り切って息子に問題を出していくのだが、しかし問題数を重ねていくに連れ、なぜかお父さんの機嫌がどんどん悪くなっていく。忌々しげな口調で次の問題が出される。「共産主義とは何だ?なぜダメになったか知っているか?」。意気込んで友人が答えようとした瞬間、「お前みたいな怠け者が、一生懸命仕事をしている人の努力を無駄にしたからだああ!!!」と唐突にキレられた、という話。
 まあ、いくつか問題を出すうちに、息子の勉強不足が目についてしまい、そのうち日頃ダラダラしている息子の姿までフラッシュバックして、怒りが雪だるま式に大きくなってしまった、というところだろう。「俺なんも反抗的な態度とってないんだぜ!?」と理不尽を訴える友人に、僕も笑ったけれど、しかし確かにこれはある種の狂気を孕んでいるなあ、と思う。
 お父さんは、核家族においてはお父さん以外の役割が許されない。会社の付き合いを家庭に持ち込まないお父さんであればなおさら。お父さんはお父さん以外の顔を持って家族と相対することができない。常に張りつめた状態の中で、子供としての自分を押さえつけなければいけない気分になってしまうのではないか。しかし実際、それは自分で思う程制御できていないし、上の話のように、表向き父親の顔をしながら突然、石につまずいた子供が、泣きながら石に当たり散らすようなことを平気でやってしまったりする。滑稽で可哀想だ。
 僕は常々大人になりたいと思っていたが、いつからか、僕の思っている大人なんてどこにも居ないということがわかった。大人というのは、完全に大人に生まれ変わることなどできず、子供の頃に戻りたいとさえ思いながら生きるものなんだろう。

◇テレビドラマを見るようになったのは結婚して妻と住みはじめてから。毎週毎週事件が起きたり、不自然に盛り上がりを作ろうとする感じが嫌で、僕はほとんどドラマを見たことがなかった。でも最近やっと、それは仕方がないのだということに気付いた。テレビドラマは、そもそもあまり集中ができない環境を前提に作られている。食事をしながら、皿洗いをしながら、日常会話をしながら、その傍らでドラマは見られている。映画のようにたっぷりとした時間の使い方が出来ないのはそういうことだったのか、と今更ながら知ったわけでした。そう思うと同時に、映画はとても贅沢だ、という言葉を思い出す。

◇Wolf Parade - Yulia

これ超イイ。カナダのバンドなんですか? 僭越ながら初めて知りました。大げさじゃない構成と、それで充分メランコリックな歌声とメロディ、そしてざらついた音の感触。PVがまたその辺りをうまく体現してて、これは久々にめちゃくちゃ吃驚した。