web版:ラッパー宣言(仮)

ビートでバウンス 唇がダンス

午前7時。豆腐の多いパンケーキ。

◇うちのパンケーキには豆腐とレーズンを入れる。今朝は期限の近い豆腐を使い切る必要があって、いつもよりひとサイズ大きいものを使った。これはこれでおいしかったが、ちょっと重たかった。
 レーズンを入れる係の息子は、いつも通りたっぷりレーズンを入れ、結局あまり食べずにごちそうさまをした。

◇息子は月曜からずっと体調が悪く、結果的に金曜日まで、幼稚園を一週間お休みすることとなった。症状としてはマイコプラズマを思わせるのだが、検査の結果は陰性。しかし検査のタイミング等で結果も変るらしく、陰性だからといって即マイコプラズマを否定できるものでもないらしい。でも結局抗生物質をもらうことはなく、対症療法のみに留まり、咳と熱の薬をもらった。自然治癒もある、とのこと。
 私は転職してまだ間もないこともあり、新しい職場で休みが取れず、息子の看病は全て妻に任せてしまっていた。妻によると、息子の食欲はないものの、しかし機嫌が大変よいらしく、それがせめてもの救いである。とはいえ妻も疲れていることに変わりはなく、この一週間はほとんど、私が帰宅した頃には既に寝てしまっていた。

◇金曜の夜に熱が下がり、土曜の朝は雨の降らないうちに近くの公園で遊んだ。雨でぬかるんだ地面の上を滑り、尻を泥まみれにして楽しんでいた。私はその公園の向かい、曇天の田んぼに伸びる稲を見ていた。息子といっしょに幼稚園に行かなくなって3週間ほど、稲がどんどん伸びて青さを増していることに気付いた。私は通勤時も同じ道を通るのだが、ひとりで歩くときはほとんどこの田んぼを見ていないのであった。

◇大変ありがたいことに、お声かけいただき、人前でお話をする機会をいただきました。
http://www.nadiff.com/gallery/thecopytravelers.html#event
美術に関しては全くの門外漢、ヒップホップに関しても確実に外側から観察している身分ですが、自分なりに参加させていただけたらと思います。

◇ヒップホップの4要素に共通するポイントを乱暴にいうと、「上塗りする」「重ねる」「乗せる」といったようなことなのだが、その塗られ方、重ねられ方は、グラフィティ、ブレイキング、DJイング、MCイングのそれぞれにおいて、微妙に異なってくる。
 二つ以上のものがひとつのメディアの上にパッケージされるとき、それらはミックスされるのか、単に並列されるのか。おそらく両方だが、ミックスか並列かの度合いは、キャンバスとなるメディアが持っている特徴に左右される場合もあるし、あるいは作家性に依る場合もあるだろう。要するにミックスされるというのは作品化する、それ自体ひとつの文脈を持ち得るという意味で、当然、完結性という点では、きちんとミックスされていた方が高められるのは事実だろう。作品に向かい合うとき、彼は表現者ではなく鑑賞者となるが、それは作品が完成していればいるほど、その役割分担は強固なものとなる。しかしヒップホップにおいては、この表現者/鑑賞者の境界が曖昧な状態が非常に多く、そしてそれが致命的な欠点になるとはほとんどの場面で思われていない。完結性の低い作品であっても、そのなかにフレッシュな切り口があれば、それは新たに次のプレイヤーによって育まれていくことになる。その意味では、メディアのうえに乗ったものが、充分にミックス、洗練されていないことも多いのである。

◇Summer City - パブリック娘。