web版:ラッパー宣言(仮)

ビートでバウンス 唇がダンス

作品についての殴り書き

◇最近youtubeで一気に観た『電脳コイル』。面白かった!!
 物語の本筋も面白いんだけど、僕が好きなのはサブ・エピソードの第13話『最後の首長竜』→http://www.youtube.com/watch?v=6htuMSRqnxUだったりする。

◇※以後ネタバレ注意※

◇この作品の中心にあるのは「都市伝説」なんだけれども、まあつまりそれって、どこかの誰かが確かに体験したのだといわれているお話で、普通はアクセス不可能なもの。
 んで、僕ら(1984年生まれ)ぐらいの世代だと、「口裂け女」や「棒の手紙不幸の手紙)」なんて、存在ではなくて、現象自体が又聞きだったりして、かなりそういう都市伝説的な要素とは疎遠になっていた。
 今ネット上のホラーサイトとかにまつわる「噂」は、僕らより下の世代に見られる都市伝説の再燃みたいな感じで、それは僕らの世代を飛び越えて、口裂け女リアルタイム世代と共有されているんだろうなあ。それが『電脳コイル』って作品として出てきたんだろうなあ。・・・と思っていた。でも、この『電脳コイル』第13話を観たときに、「あ!」って気がついたことがある。
 このお話、電脳世界の“バグ”、つまり“プログラムの誤認”が引き起こした空間に住む電脳生物の話なんだけれど、そういえば、僕らがやっていたゲームには、裏ワザっていうものがあった。
 裏ワザっていうのには2種類あって、あらかじめプログラムされている裏設定の世界に入るようなもの(→http://www.youtube.com/watch?v=J31klTM6q78)と、プログラムの誤認を利用した裏ワザ、いわゆる“バグ技”(→http://www.youtube.com/watch?v=kirHvKsDScw)というものがあった。
 普通の裏ワザはともかくとして、このバグ技に関しては、結構都市伝説的な雰囲気を持っていたのだと思う。「2組の山下の兄貴、ゼルダ、レベル1なのにパワフルブレスレッド持ってるらしいぜ」「どうやら一時間くらいあの木の下で盾構えて待ってたら不思議な世界に入れたそうだ」とかっていう(いや、これ適当ですよw)感じ。ただ、口裂け女の類と違うところがひとつあって、噂を聞いた僕らは又聞きに終わらせるのではなくて、直接異界にアクセスできたっていうこと。
 しかし、口裂け女とは時期的に異なるようだけれど、荒川のオバケ煙突っていうアクセス可能な異界もまた存在していて、この13話は最終的にそこに接続してるんですな。この辺りがたまらないんだよね。

ひさうちみちお『精G』がもうすごく面白い!!
 介護マンガ。自分の人生におけるうらみつらみを子供たちに聞かせてきた母親が、ついに認知症になってしまい、主人公である精Gがうんざりしながら親の悪口と妄想を延々といなす物語。かなり乱暴にまとめるとこんな感じ。
 母親の妄想って形でかいてあるけれど、認知症ならずともこういう人っている。これがまたうんざりしながらも笑ってしまう感じで、そのどっちにもいける精Gの冷静なスタンスが面白い。

◇本日元ADFのヴォーカルDeederZamanの初ソロアルバムが発売!!

◇体験の唯一性と、その体験に対する感情の大きさってまったく別モノだと思う。