web版:ラッパー宣言(仮)

ビートでバウンス 唇がダンス

「84年生まれの90年代論」の準備

◇えっと、そろそろメモ書きしなくちゃ。

◇僕は84年生まれなので、1991年が小学一年生、1999年が中学三年生になります。覚えやすいでしょ。

◇だから90年代を俯瞰するっていったって、主に95年以降が僕の体験から語れることになってくる。いわゆる(?)『after95』です(文化系トークラジオLifehttp://www.tbsradio.jp/life/20061028_after95/
 オザケンフィッシュマンズニルヴァーナも知らず、オウムは事件としてはもちろん知ってるけれど、その言説に関しては完全に後追い。そんな僕が90年代として思い浮かべるのは、古谷実スチャダラパーごっつええ感じ、そしてちょっとその文脈からずれるけど、Hi-standard(あるいはそれ以降のミクスチャーブーム)だったりする。

◇なぜ現在23歳の僕が90年代を語るかっていうと、続くゼロ年代には僕は全く社会的な文脈とは無関係に文化を消費していくようになって、浅野いにおサンボマスターも実はそんなにノレないのだ。イイと思うのもあるけれどね。なぜか、単純に「こっからやってこうぜ!!」みたいな希望に向かうっていうスタンスには積極的になれなかったりする。あとで言うけど、積極的にはそういうスタンスを取らないけれど、僕は消極的な理由からであるけれどそうしてるし、それが「他者とかかわる以上の責任」みたいなものだと思ってる。いや、もしかしたら多分その理由は、積極的/消極的っていう二項対立にもなってないかもしれない。
 (二項対立を解消するっていうのは小島よしおと鳥居みゆきがすごく見事にやってくれてると思う。)

◇とはいえちょっと注意が必要で、僕の中での線引きは『完全自殺マニュアル』だったりする。っていうのも、あの本のような「肥大した自意識」をすんごく嫌悪してるんだけれども、かといって「積極的に生きよう」みたいなものもなく、「冷めてるっぽく見られるんだけど、ホントは熱くなりたい、でもやっぱできない」っていう宙ぶらりんの状態だった。つまり僕は、実はほんとうを求めているわけで、しかし世の中に過剰に出回っている「真実」への懐疑論として、シニカルな姿勢を取っていたってこと。
 つまりですね、僕がひきつけられるのは「自殺しなかった人々」。80年代をひきずって90年代に入った人は、自殺してしまうんじゃないかなって。山田花子とかねこぢるとかね。90年代としての新しさを作ったっていうのは、やっぱ『彼方からの手紙』や『N.O.』や『僕といっしょ』って感じ?

◇まあ、この辺りまでは多分一般的な言説をはめ込んで書いてるだけだし、これから読むとしてw。あと、90年代からゼロ年代をつなぐ古谷実の話も下書きは既にあるので。

◇ちょっと話を変える。多分あんまり語られていない見方だと思う。
 えっと、僕の家に、確か95年か96年のとき、ケーブルテレビが入った。そこで専門チャンネルの洗礼を受け、おそらくそこで文化系の“めばえ”みたいなものが僕にあったと思う。洋楽専門『MTV』、邦楽専門『スペースシャワー』、海外ドラマ専門『スーパーチャンネル』をよく見ていた。当時地上波ではJ-pop全盛期。小室ファミリーが幅を利かせ、男性グループはサザンとミスチルとゆず以外みんなお化粧をしていた*1んだけれど、ひとたびMTVに切り替えればjamiroquai『virtual insanity』やbeck『devil's haircut』がヒットチャートで1位になってたりした。


 ここで一気に僕の中で「J-pop=クソ。洋楽=エライ」っていう分かりやすい図式が出来上がる。

◇何を基準に考えればいいかわからないので、僕は「洋楽」を権威にして考えていた。つまり日本のアーティストを褒める際の基準は、「世界に認められているか否か」だったわけで、そうすると必然的に坂本龍一界隈が偉くなり、坂本龍一が褒めるものが偉くなるw
 ところが、です。ある日、いつものようにつけたMTVから、こんな映像が流れてくる。・・・と、ここでハイスタのstay goldを入れたいんだけど・・・削除されちゃったみたい涙。代わりに、僕の90年代っぽいイメージを見事に表現した動画を発見したので、ちょっと挟んでおきます。

◇ハイスタは二重の意味で僕をがっちり掴んだ。その二重性っていうのは、実は矛盾するかもしれない。
 一つは、世界と繋がるには坂本龍一みたいにトップに立って、めちゃくちゃ知名度をつけて金もってないと無理って思っていたんだけれど、ハイスタが明るみに出ることによって、僕は日本のインディーズシーンの方が、メジャーなんかより全然グローバルな活躍をしてるって知ることが出来た。この文脈では、ヒップホップのDJKRUSHとかダンスホール・レゲエのMIGHTYCROWN、ダブのAUDIOACTIVE・DRY&HEAVYとかが居る。坂本龍一以外の評価軸がたくさんあることに興奮した。
 んでもう一つは、ハイスタ自体が持っている、ラフで気取らないかっこよさだった。雑でシンプルな音とスピード感の魅力をしっかりわかっているバンドだと今でも思うし、すごく変な言い方だけど一種の完成度みたいなのを持ってると思う。んで、ハンサムでもない三人組が鼻の穴を膨らませながら、照れ笑いしながら演奏している様子は、「バンドはカッコつけなきゃいけない」っていう固定観念を見事に崩してくれた。

◇かきかけです。

◇そうそう、ジャミロクワイとベックの動画は、ブログ上では見れないみたいです。再生ボタンの外をクリックして、youtubeに飛んでから見てください。

*1:ルナシーとかラルクとかGLAY