web版:ラッパー宣言(仮)

ビートでバウンス 唇がダンス

午前1時。雨音に凍える。

◇ガスファンヒーターに火を入れる。

◇今朝は地域の一斉清掃。土曜の雨で濡れた地面に張り付いた落ち葉をはがす。妻と私が集めた落ち葉を、息子は懸命にまき散らしていた。

◇昨夜は妻と二人、夜遅くまで撮り溜めたビデオを眺めていた。まだ伝い歩きをしている頃の息子の様子を観ては顔を見合わせて笑っていたのだけれど、基本的にはいまやっていることもほとんど変らない。子供の成長に目を見張るのは確かだが、たかだか3歳。最近の息子の話す言葉も、喃語に毛が生えたようなものだ。ただ、その毛を伸ばしていけばロジックになり、編んだり染めたり飾りをつけたりできるようになるという意味ではみなそうなのだろう。
 大いに毛を伸ばして欲しい。

◇一週間前の11月24日、第十九回文学フリマに合わせて、アラザルの9号目が無事に先行発売された。内容についてはこちら→http://arazaru.tumblr.com/post/103254119325/vol-9
 正式な本誌としては、前回から実に2年ほどの月日が経っていて、ちょっと出すまでは大変な感じもあったのだけど、蓋を開けてみれば本文300頁超の“いつもの”分厚い批評誌になっていた*1。創刊号のようなヴォリュームを、9号まで保っていられるのは幸運だと思う。というか、それだけではなく、アラザルには奇跡的な幸運がいくつもあって、その幸運を同人ひとりひとりが最大化すべく努力してくれて、ようやく成り立っている。
 今回の表紙を手掛けてくれたのは、同人にカムバックしてくれた黒川さん。創刊号以来の表紙だけど、こういった引き出しもあるとは。黒川さんの原稿も是非読んで欲しいのだけど、いくつものイメージを重ねることで、図像の情報量を増やしながら異化してしまう。

◇また今日もアラザルのメーリスを観ると、喧嘩が起きていた。

クリント・イーストウッドジャージー・ボーイズ』。クリストファー・ウォーケンが主役だと思った。

ジャージー・ボーイズ』を観た後、『ディア・ハンター』を見直したのは、この映画で自分が『Can't take my eyes off you』を初めて知ったから。なんだけれども、それどころか、恥ずかしながら見直してようやく気づいたのだが、クリストファー・ウォーケンの映画だった。また、さらに言ってしまえば、『ディア・ハンター』でロシア系アメリカ人を演じたロバート・デ・ニーロの盟友ジョー・ペシは『ジャージー・ボーイズ』にも登場し、フォー・シーズンズとの関わりが描かれていて、いろいろと接続されていく。まさかあの名台詞があんな風に使われるとは!

 しかしそれにしても、映画のなかで描かれる音楽が良いとそこだけ突出してしまう、という皮肉はよくあるけれど、『ジャージー・ボーイズ』においては、あの名演奏がそのままそっくりあの映画になっている。「音楽」と「画」という分離した要素が上手に絡み合ってできているのではなく、あの映画そのものがひとつの音楽になっているし、あの音楽がそのまま映画になっている。

*1:というか、この間に出したいくつかの企画誌『アラザレ』や『1/2』号なども、かなりのクオリティだとは思うんだけど、アラザルは分厚さをもって本誌認定してるのだろうか??