web版:ラッパー宣言(仮)

ビートでバウンス 唇がダンス

午後2時。自転車から曇りの桜を眺めている。

◇朝昼兼用ご飯を食べてから、シュレッダーを買いにケーヨーデイツーへ。自転車で走ってると少し寒いけれど、それでも桜の下にレジャーシートが広がっていた。見事な桜があるたびに自転車を停めてから、外でお酒を飲むには寒いが、おでんを買えば釣り合いがとれるかもしれない、なんて思う。少し前の僕であれば、妻に隠れてこっそりとそうしたかもしれない。独りで季節の変化を悦び、それによって充実を得ていたかもしれない。しかし、僕はしばらくそこで桜を見てから、妻の居る自宅へと自転車を走らせた。独りでいることがあまり面白くなくなってきたのかもしれない。

◇どうしてこのPVがこんなに好きなんだろう。

そしてこのバージョンもすごい好き。

江藤淳『文学と私・戦後と私』を読了。父親から自分を捉え直す箇所に、僕はとても驚いたのだった。父親のことを考える以前に、江藤淳はまず不在の母親のことをめちゃくちゃ考えたのだろう。そして、それから健在の父親のことを捉えるようになったのではないか。不在の母から現在の父へと分析の対象を移したとき、彼は「正月」と和解できたのではないだろうか。
 などと勝手に自分に置き換えて江藤淳のことを考えている。これはまさしく私情だろう。ちなみにまた、僕は江藤淳の祖父の後輩に当たることを知った。

アラザル原稿がようやく軌道に乗ってきた。今回の僕の原稿タイトルは、今のところ「ラッパー宣言」である。そして頑張ってもうひとつ、とある原稿を作っている最中である。