web版:ラッパー宣言(仮)

ビートでバウンス 唇がダンス

午前0時。酔客に挟まれて読書。

◇今日は早く帰れそうだったのに、思わぬことで終電一本前に。月曜のこの時間はいつも比較的空いているのだけれど、今日はへべれけの男性二人に挟まれてしまった。先日届いた本を読みながら、寝言らしきものにも聞き耳を立てる。

◇昨日は一週間後に迫った新婚旅行の下準備のため、実家に戻ることになっていた。その後、中学時代の友人二人と飲みの約束があったので、町田ルミネ前で待ち合わせ。あいにくの雨に震えながら待っていると、懐かしい顔が次から次へと集まってきて、気づけば15名くらいになっていた。このメンツで飲むらしい。どうやら、結婚のお祝いをしてくれるらしいのだ。

十二歳から十五歳頃までが、男にとって、唯一、女のために生きなくて済む時期なのだ。それ以前は母親に支配され、それ以降は「いい女」に支配される。(村上龍『はじめての夜 二度目の夜 最後の夜』)

中学を卒業後、町田市の住宅街に住む僕らの多くは、小中で一緒だった地元の仲間とだらだらとした関係を続ける。意外とそういうのは卒業後から仲良くなったりするケースが多いのだけれど、昨日はそういっただらだらグループでもなく、まあ基本的には中学時代に仲良かった人間ではあるけれど、在学時も卒業後も特別仲の良かったわけではない人間も参加していて、なんとも不思議な会合であった。しかし主催者の彼の屈託なく明るい感じがまた、屈託のない人選になったのもわかる。後ろ暗いところのない、とても気持ちのいい飲み会となった。やっぱりこの感じ、mixiで辿って集めたらしい。
帰宅後、プレゼントで渡されたCD-Rを再生してみると、飲みに参加できなかった級友の写真とメッセージが、スカパラの『what a wonderful world』に乗ってスライドショー形式で展開していく。とても仲の良いヤツも、それほど親しくなかったヤツも、懐かしさの中で一様にフラット。さわやかな感傷が湧いてくる。湿っぽさのない優しさ。

◇そして、今夜ももう一度それを見てから寝る。