web版:ラッパー宣言(仮)

ビートでバウンス 唇がダンス

午前9時。雨を観る。

◇家中の窓を開けて、雨の音を聴いたりしていた。

◇昨夜突然39度の熱を出し、夜中に目を覚ましてしまった息子は、解熱剤のおかげで再度眠ったものの、朝5時になると目を覚ましてしまった。午前3時に寝た私を気遣って、妻が先に2時間相手をしてくれて、7時からは私が相手をした。
 ただ、昨夜高熱が出た割にはとても機嫌が良く、朝からずっと大はしゃぎなのである。積み木で網を作れ、などという禅問答をしては妻を困らせたくらいで、基本的には楽しいマシンガントーク。たまに息子の思惑通りに意図疎通が図れず、もどかしさに機嫌を損ねそうになったときには、こちらが突如歌って踊れば問題なかった。すぐに笑顔を取り戻し、ダンスの輪に加わる。それはそれで、熱のせいでちょっとトランス状態になっているように思えなくもないのだけれど。
 そのままハイテンションを維持しながら、夕方17時半頃の夕食中、糸が切れたように私の膝の上で寝始めてしまった。遅い昼寝でないことを祈る。

◇最近、ダイエットブログをつけている。ブログの自己啓発的側面をあからさまに強調するのも嫌なので、ここでそれをやるのはなんとなく憚られた。自己啓発的なるものは、いくらメタ的視点を用意して臨んでも結構容易にベタに転化してしまうので、色々気を遣う。

アラザル同人H氏の映画を観る。一作目にして、これだけ自分にとって切実な主題を扱え得ていることに、とても熱くなった。結構複雑な構造を持った作品ではあるけれど、それはそういった用意があってはじめて、ここまでの語りができた、ということである。そこに、何かを隠そうとするような形跡は見受けられず、すごく良いデビュー作を観た気分でいる。次はどうなるんだろう。

◇ヒップホップがたびたび言及する「リアル」について、最近はなんだかまた更に一度回って、これまで他ジャンルが用いてきた「リアル」と分けて考える必要はないんじゃないか、と思っている。
 『ジュラシックパーク』を映画館で観たときの記憶で、はっきり覚えていることがある。ブラキオサウルスが後足で立つシーンで、すぐ後ろのカップルが思わず「すごい! 本物みたい!」と小声でつぶやいていた。

我々は本物のブラキオサウルスを観たことがない、ということに気がついたとき、リアルの意味を知った気がする。

◇恐竜を捉える視線に、常に憧れが混ざっている。『ジュラシックパーク』がすごく好きだ。