web版:ラッパー宣言(仮)

ビートでバウンス 唇がダンス

午前11時。青息吐息の水の中。

◇水泳は45分1900メートル。混んでいたとはいえ、さすがにこれはまずいんじゃないか。できたら来週も泳ぎに行って、体力をつけていきたい。

◇覚えたての胴タックルとマウントからの頭突きに、妻が泣いている。レフリーとしては止めに入るのだけれど、興奮冷めやらぬ息子は歯のない顔で大笑いしている。

◇今週は動物園には行かず、外出といえば土曜日に妻の実家で餃子を食べたのと、あとは近所の八王子駅周辺をぶらついたくらい。のんびりとした週末だった。
 息子は息子で家のなかを散策しまくっていた。ハイハイと掴まり立ち、おすわりさえ体得してしまえば、生活空間はかなり自由な遊び場になる。気に入ったものを見つけては、口に入れるか叩くかして大はしゃぎしているのだが、よく見ると特に長いものを口に入れる傾向がある。もしかしたら美味しさを測る指標のひとつに「長さ」という項目があるのかもしれない。

firefoxだと動画再生が重くなってきたので、google chromeを入れてみた。色々と便利なブラウザだと思う。

古谷実が新連載。タイトルは『サルチネス』。非常にワクワクする出だしだった。
 最近の古谷実作品に共通して見られる特徴の主人公でありながらも、彼の置かれている環境がどうも少し違う。というか、家族全体を話の中心に置こうとしているような印象。とすれば、思い出されるのは『僕といっしょ』。兄、妹、祖父というキャラクターの配置も、すぐ起、いく起(もしくは吉田あや子)、吉田の親父を彷彿とさせるのだが、さて、そう考えると、今回の主人公家族もまた疑似家族なのではないかと想像が膨らむ。もちろんまだ一話目を読んだだけなのでなんとも言えないけれども。
 古谷実は『ヒミズ』以降、生き物の名前をタイトルに冠している。ただ、もしも今回のこれが単純に「saltiness」、つまり塩気を指しているのだとしたら、ここ最近の流れとは違ったものを前に出していくという意図があるのかもしれない。

◇よく出来てる。

◇similabの内紛ビーフツイッター上で意味深なツイート(https://twitter.com/professorQN/status/204604923474755585)を残したかと思えば、数日経って突如としてサウンドクラウドでOMSBをdisり始めたQN(http://soundcloud.com/simi-lab/omsbeef-qn)。これに対して、現在OMSBがアンサーを返すかどうかに注目が集まっている。
 と、要するにビーフとしてはまだなんにも起きていない状況。ビーフ好きのリスナー達も、来るべき盛り上がりに向けて様子見、といった感じなのだけれども、そんなさなか、ちょっと変ったことが起きている。この一件について、菊地成孔が入ってきたという。

内容的にはどうということはない、DCPRGのアルバムの共演者として、QNとOMSB両者の才能を間近に見た氏の見解なわけだけれども、面白いのはこれがラジオというメディアに乗っかった「私信」というスタイルを取っているということ。つまり、ラッパーがdisったりアンサーを返したりするのと同様に、菊地成孔は、ラジオパーソナリティとして、ヒップホップ・マナーに則った形で(つまりミュージシャン的に)、これに言及している。
 菊地成孔は、ジャズメンではあるが、ラッパーではない。しかしジャズとヒップホップの近似を指摘する氏としては、これに対して、ヒップホップ・マナーに則った形で介入していくのが筋だと考えたのかもしれない。ラップのような言葉の使用がジャズにないならば、氏の別の側面、つまりラジオパーソナリティという立場から、ここに入っていく。菊地成孔の「アンサー」は、単にQNとOMSBへの「私信」なだけではなく、メディア人という立場を駆使した、ジャズとヒップホップの「ブリッジ」である。この点は、実は一番見逃せないポイントだと思う。

◇内紛前のsimilab。超仲良い。

いきなりQNとOMSBのツーショットから始まるので、ついニヤけてしまう。