午後6時。巻き簾で寿司を巻いている。
◇子どもたちのテンションがやたらと上がる。
◇息子は結構な量の太巻きを一気呵成に食べた。昔は食が細いと思っていたが、気付けばラーメンを一杯、普通に食べてしまう。
娘は兄のテンションにつられて少しは食べたが、結局揚げ物ばかりを食べた。しかしいつもよりもよく食べた気がする。
◇はてなダイアリーを移行した。その作業の間に、何を書こうと思っていたのか忘れてしまった。
◇今度の四月には、息子は二年生になり、娘は幼稚園生になり、私はいよいよ家にいる意味がなくなる。2年間のフリーランス生活も終わり、今月下旬から再び会社員生活に戻る。とはいえ、仕事はフリーランス時代のものをそのまま引き継ぐので、やること自体はほとんど変わらない。実はもう一社悩んだところがあったが、結局はこの仕事内容の変わらなさを取った格好。
◇息子のピアノに付き合っているうちに、自分自身も割と左手がよく動くようになっていることに気づいた。いまだにヘ音記号の楽譜を読むのに時間がかかるが、息子の課題曲にはまだついていける。最近は自主的にyazooの『only you』を練習している。
youtu.be
◇新しい職場は、少しアクセスが微妙だ。南武線を使うルートが一番いいらしいのだが、朝の南武線はあまり乗りたくないので、距離的には遠回りな渋谷経由を選択した。しかしその職場がよく見ると多摩川沿いであったことに気づいた瞬間、急に心理的距離が縮まった。いや、心理的ではなく、実際に30キロと離れていない。新宿よりも近く、近所の多摩川沿いの土手を行けば職場なのだ。そのとき、自転車通勤の線が頭に浮かんだ。
◇最近の息子との話題には、鉄道と川が頻出する。鉄道沿線に人が集まる様子に興味を持っている息子に、川は、鉄道以前に人を集めた「線」だったという話をすると、結構ウケる。
◇先週の水曜だったか、片付けるべき仕事が思ったより早く終わったので、思い立って羽村取水堰まで行ってきた。なんとか日没前の玉川上水の始まりを見ることができた。
缶チューハイを飲みながら歩くには少し寒かったし、19時半には帰宅して息子のピアノを見ることになっていたので、私が歩いたのは羽村から福生までの一駅分だけになった。それでも玉川上水沿いはその始まりからしてすでに武蔵野の雰囲気を色濃く映しているように感じた。等間隔で植樹された人工的な緑道を歩きながら、ふと多摩川沿いの土手を思う。土手ではなく緑道がある上水・用水を、なんとなく自分は武蔵野だと思っている節がある。多摩という土地のなかにある素材から武蔵野というイメージが立ち上がり、それはしばらくすると土地そのものとは切り離される。ある種の都市的な、抽象化されたイメージをはらむ武蔵野。
その少し前には、電車好きの息子と相談して、是政から武蔵境まで、西武多摩川線を制覇する旅に出ていた。その際、多磨駅から新小金井駅までアメリカンスクール脇や野川公園のなか、国際基督教大学横を通っていったのだけれども、あの雰囲気がすでに羽村取水堰から始まっている。
それからこのときは、野川を渡る橋の下に、うちの近所の多摩川沿いにあるのと同じタグを発見している。
◇ちなみにこないだ、西武多摩川線車両を八王子駅で見た。他の西武線と接続されていない西武多摩川線は、車両移送の際は中央線を経由する必要があるらしい。もっとも、JR貨物の機関車にけん引された車両が、先日乗ったばかりの西武多摩川線の車両であることに気づいたのは、帰りの電車のなかのことだった。
西武多摩川線は6駅しかない単線だけれども、競艇場があり、開催時はそれなりに混むらしい。競艇場前駅にはボートも飾られていた。この競艇場自体は、かつての砂利採掘で生じた大きな穴からできたわけだが、これは西武多摩川線が元々砂利輸送に使われていたことを意味している。多摩川の砂利は、東京周辺の鉄筋コンクリートの材料として使われるようになり、東京オリンピックが終わるまで採掘が続けられたという。
◇玉川上水といえば、多摩が東京に移管される原因としても知られているが、同時によく出てくるのが自由民権運動の話。神奈川における自由党の地盤は三多摩にあり、水源管理の問題にかこつけて、神奈川からの切り離しに遭って東京移管となった。そういえば多摩地域を話題にしたイベントに呼ばれた際、自由民権運動と多摩のつながりは五日市憲法という形になり、それが憲法改正が話題に上るようになった近年、皇后の目に触れたのだ、ということを黒幕こと長谷川Pから聞いた。皇后陛下お誕生日に際し(平成25年) - 宮内庁
◇かつての豪農や下級武士から、アメリカンスクールや横田基地に至るまで、たしかに結構、複雑な場所ではある。中央に搾取される地方≒東京都下という構図がベタに成立する土地で、衆院選では旧民主党系が自民党系とつばぜり合いしている印象。競馬に競艇に競輪と、博打もいける。それもこれも、すべては川に集約される。
◇急には無理だろうけれども、クロスバイクでも買って、ゆくゆくは多摩川沿いを走って通勤できればと思う。そろそろ野蒜が採れるのも待ち遠しく、またオイカワも寒いうちに釣っておきたい。寒バヤと呼ばれ、味もいいらしい。